前回第11回では「色分け手法」の中の「色分の正誤を判断するための手法」についてはご説明いたしました。
前回は行き詰まった状態での「設定されている文字数」が51の状態の問題でしたが、今回は文字数「36」の問題で残り5ブロックのケースをご紹介したく存じます。
今回の説明で使用する数独問題について
今回もいままでと同じく下記サイトの2015年11月の問題集を使用させていただいています。
今回の問題は「数独問題集(達人級)」の2015/11/13上段に掲載されています。
これまでと同様に途中から使用させていただいておりますが、コピーライトは問題を作られている数独無料問題集様がお持ちのものになりますので初期の盤面につきましては、上記サイトにてご確認いただけますようお願い申し上げます。
「解法その3」終了時の盤面
解法その1から3により文字数は36文字まで解かれていますが、本解法では盤面として行き詰まった状態です。
左図のメモ欄
・黒字—解法その1からセット
・太紫—解法その2からセット
・太青—解法その3からセット
※5行1列のマス目の赤字の「5」は「5」のスクウェアの中にメモ欄に解法その3から「5」と「8」がセットされたことによります。
左図紺枠には解法その1から「8」がセットされていてスクウェアの形になります。そのため対角線上どちらかに必ず「8」が入ることになり、5行1列のマス目に「8」が入ることはありません。
メモ欄にセットされている数字の状況を1~9すべて確認する
第9回でご説明した「色分け手法」の手順に従い、ブロックに入る可能性のある箇所のメモ欄の背景色を薄ピンクにセットして行きます。
※数字の「7」は9ブロックすべてにセットが完了しているので画面ショットは省略致します。
なお説明のために可能性のある箇所の個数を数えていますが、ざっくりと難易度だけ把握すれば大丈夫です。
数字「1」–7ヶ所
数字「2」–15ヶ所
数字「3」–11ヶ所
数字「4」–ゼロヶ所
数字「5」–10ヶ所
数字「6」–4ヶ所
数字「8」–6ヶ所
数字「9」–13ヶ所
難易度の低い数字の連鎖を考える
ブロックに入る可能性のある箇所が少ない数字を下から選ぶと対象となる候補は「1–7ヶ所」「6–4ヶ所」「8–6ヶ所」になります。これらの3つの候補はすべて残り4ブロック以上になりますので試して見る価値があります。
まずは3つの数字に特異点が無いか?を確認します。
すると数字「6」で一つの行で3つのマス目のメモ欄に「6」がセットされているところがありますので、まずは数字「6」から確認することにします。
①数字「6」で連鎖を考える
実は数字「6」が今回ご紹介したい残り5ブロックでのケースになります。
まずは前回(前々回でも)ご説明した連鎖パターンを見出す時のルールに従い必ず通る場所に紺矢印を付けています。
なお赤枠の部分に数字「6」が3ヶ所入っている特異点があります。
第3、第6、第9ブロックでの配置から残り5つのブロックをすべて通過する連鎖のルートはこれだけになる認識です。
理由としては左図以外で考えられるのは
1.1行目をそのままで3行目の背景色薄ピンク色を通過する
2.両方とも背景色薄ピンク色を通過する
この2通りになりますが、その場合は第6、第9ブロックからの戻りのルートが取れません。
なお「濃い」「薄い」の色分けは左図のように規則正しくブロック内に収まっているので成立します。
連鎖のルートは決まったので特異点との関係を確認して見ます。第3ブロックの2行7列のメモ欄に解法その3でセットされた「3」「6」があります。となるとルートとしてここを通らない、つまり他の場所に「6」が入るので、「3」に決まるように思われるかもしれません。
ただ「色分の正誤を判断するための手法」を確認しないと「どこまで数字が入るか?」についてはまだ確定していません。
従いまして「3」を入れるのは「色分の正誤を判断するための手法」が確定した後にするのが確実です。
②数字「8」で連鎖を考える
残り6ブロックですが、第1、第4ブロックはスクウェアで結ばれているので残り4ブロックを通過するルートを調べる事になります。
左図でスクウェアの部分の色分けは残る事にはなりますが、もう一つのルートの色分けは規則正しいので成立します。
ただしやはり第8ブロックを除いた3ブロックに背景色薄ピンク色のマス目が6つあるだけに、もう一つルートがありそうです。
複数ルートが存在する場合は経験上共通で通過するマス目に正解が含まれないケースがあります。つまり解けないケースがあることになります。
ちなみに今回の場合は共通で通過する「濃い」「薄い」のどちらに正解が含まれていましたが、これを採用するにはリスクがあります。
従いまして数字「8」は諦めざるを得ません。
なお複数連鎖の対処法につきましては別の回でご説明する予定です。
③数字「1」で連鎖を考える
数字「1」も残り5ブロックでのケースになりますが、第3、第8ブロックを除いた残り3ブロックに背景色薄ピンク色のマス目が7つあるので、別ルートがありそうです。
案の定と言いますか、左図赤線×印のところをに対角はルートに含まれているのに対して、反対側の対角が背景色薄ピンク色で残っているところがあります。
このような場合は、反対側の対角を通過するルートの存在が疑われます。
やはりもう一つ別なルートがありました。
となりますと数字「8」の場合と同様にあきらめるしかありません。
「色分の正誤を判断するための手法」を使う
ここまでで、難易度の低い数字の連鎖は全て調べ終わりましたので、次のステップである「色分の正誤を判断するための手法」に移ります。
条件としては連鎖がユニークである必要がありますので今回対象となるのは「6」だけになります。
数字「6」を調べる
第1ブロック→第2ブロック→第9ブロック
カウントは「薄い」3/5
第1ブロック→第2ブロック
カウントは無し
第2ブロック→第1ブロック→第9ブロック
カウントは「薄い」3/5
第2ブロック
カウントは無し(濃い)
第3ブロック→第1ブロック→第2ブロック→第9ブロック→第6ブロック
カウントは「濃い」1
第9ブロック
カウントは無し(薄い)
第6ブロック→第9ブロック
カウントは無し
第9ブロック→第6ブロック→第2ブロック
カウントは「濃い」3/5
第3ブロック→第2ブロック→第1ブロック→第6ブロック→第9ブロック
カウントは「薄い」1
第6ブロック
カウントは無し(濃い)
以上により、カウントの結果としては
・濃い—1,3/5
・薄い—1,3/5,3/5
となり、「薄い」が3/5大きい結果となりました。
なお「 仮置きしたマス目以外は解けない 」個数も
・濃い—2ヶ所
・薄い—1ヶ所
となり、この結果からも少ない方である「薄い」を選択することになります。
このことから最初に「薄い」3/5のバターンから二択分岐をしてみます。
左図のように6が3ブロック埋まったところからスタートします。
この結果につきましては是非真名様で一度ご確認いただければ幸いです。
まとめ
今回は残り5ブロックで「色分の正誤を判断するための手法」により明確な差が出来るパターンをご紹介しました。
次回は「色分の正誤を判断するための手法」により明確な差ガ出来るパターンで結果が異なる問題をご紹介したく存じます。
以上、最後までご一読いただきありがとうございました。