PR

ArcGIS Maps for Power BIの機能紹介

TopoJSON For PowerBIの使い方
この記事は約5分で読めます。

TopoJSON For PowerBIに関する記事をシリーズでお届けいたします。今回は第3回でEsri社の「ArcGIS Maps for Power BIの詳細説明」になります。

なおPower Bi Desktopのバージョン「2.70.5494.562」では、「ArcGIS Maps for Power BI」アイコンが視覚化の中に設定されているので、別途インストールすることなく使用することができます。

スポンサーリンク

まず地図の属性データを用意する

今回は当サイトで無料公開しております(右からもダウンロードできます)、東京都千代田区の2015年国勢調査小地域(町丁・字等別)境界データに含まれている属性を使います。

ただし、次のような加工を施しています。

  • 都道府県、市区町村、町丁・字等の漢字名は、それぞれ別項目になっているのですべてを結合した住所項目を新たに付け加えました。
  • 住所から郵便番号に変換するExcelアドインを使用して郵便番号項目を新たに追加しました。
    • アドインだと3桁+「-」(ハイフン)+4桁に変換されるので、もう一つハイフンを除いた7桁郵便番号項目も追加しました。

「ArcGIS Maps for Power BI」の位置情報

「ArcGIS Maps for Power BI」で用意されている位置情報の種類はEsri社の「データの準備」のページに記載されていますが日本の場合、どれが有効なのか?は文章から理解するのは難しい状況です。

そのため、実際に試してみた結果としては次のようになりました。

  • 住所
    • 都道府県、市区町村はそれぞれ場所の特定はされるようです。
    • 追加した住所項目を使うと当該地域のマップが表示されます。
  • 郵便番号
    • ハイフンあり、なし共に場所の特定はされませんでした。
    • 日本の郵便番号にはまだ未対応のようです。
    • なお位置情報にセットする項目はテキスト形式に設定して置く必要がありますので、特にハイフォンなし郵便番号の場合は注意が必要です。
  • 緯度・経度
    • 場所は特定されます。

具体的な操作は後述しますが、位置情報が住所の場合と緯度・経度の場合とでの比較をしてみました。

上図左側が住所の場合、右が緯度・経度の場合です。
国勢調査境界データの属性に含まれている緯度・経度情報は「図形中心点」になります。
大した違いはありませんが住所の場合はそういう意味では図形中心点ではなく、住所の境界内のどこかになるようです。

ArcGIS Maps for Power BI ビジュアライゼーション コントロールの使い方

Esri社の「ArcGIS Maps for Power BI ユーザー インターフェイス」のページの「作成者モード」のところでビジュアライゼーション コントロールの設定方法が書かれていますが、前の見出しで設定した内容についてまとめておきます。

属性ファイルを開く

①Power BI Desktopを起動したら「ホームタブ」の「データを取得」のアイコンをクリック
※▼のところをクリックすると「よく使われる」ものが一覧表示されます。

②今回の属性データはExcelファイルなのでExcelをクリックして右下の「接続」ボタンをクリックするとファイルを指定する「開く」ウィンドウが表示されるので、対象ファイルを選択して「開く」をクリックします。

③ナビゲーターが表示されるので指定したExcelファイルの対象シート(今回は「Data」)にチェックを入れるとデータが右に表示されるので、確認して右下の「読み込み」ボタンをクリックします。

ビジュアルのフィールドと属性データのフィールドの紐づけ設定

④Desktopの画面に戻り、視覚化のアイコンの中から左図赤枠のArcGIS Maps for Power BIアイコンをクリック

⑤属性データのフィールドから項目を選択した後、項目をドラッグして、ビジュアルのフィールドの「緯度」「経度」「サイズ」「色」「ツールチップ」に項目をセットします。

  • Y_CODE→経度
  • X_CODE→緯度
  • JINKO→サイズと色
  • MOJI→ツールチップ

ArcGIS Maps for Power BI のフォーカス設定編集

⑥地図上にプロットされた部分にカーソルをあてると、左図黒塗りの吹き出しが表示されます。
そこには上記で設定された4項目の数値・文字情報が表示されます。

ここで赤枠の「…」をクリックすると下図のようなメニューが表示されます。

ここで「編集」をクリックします。

⑦左図のように上部にマップツールバーが付いたフォーカスモードが表示されます。
ここで元に画面に戻るには左上の「レポートに戻る」をクリックします。

このマップツールバーを使ってArcGIS Maps for Power BI マップの設定編集を行います。

ベースマップとマップテーマ

表示されるマップの種類を変更することができます。

プロットされるデータの種類を変更できます。

シンボルスタイルと解析のメニュー

プロットの形状や色などの設定ができます。

解析には4つのメニューがあります。

ピン

位置検索は例えば「靖国神社」などの公共施設であれば、場所が特定されて、そこにピンマークが表示されます。

ピンの色は変更することができます。

到達圏

いくつか(10個以下)のプロットを選択し、そこからの到達時間のエリアに色を付けることができます。

10個以上のプロットを選択すると左図一番下のように黄色のバーで注意メッセージが表示されます。

参照レイヤー

現状では米国のみの統計資料が選択できるようです。

有償のPlusにサインインすれば他のデータも見れるのかもしれません。(未確認です)

インフォグラフィクス

左図のようなメニューから統計資料を表示させることができますが、日本の場合はすべてゼロになるようです。

最後に

一通りの機能があるので、地図に情報を付加する分には困らないものと推察致します。

ただEsri社としては自社のプロダクツである有償のPlusを購入していただいく意図が見えるのでその辺りをどのように判断するか?が課題になりそうです。

人口統計やインフォグラフィクスの部分が日本の場合でも提供されるようになるのか?は気になるところです。

次回はカスタムマップについてご説明いたします。
以上、最後までご一読いただきありがとうございました。