「書式を使用して難しい数独をどのように解くのか? 第1回概説」に記載した3つの解法とプラスαについて、複数回に分けて具体的に説明をしています。
今回は第8回目で「解法その4の3回目」になります。
今回の説明で使用する数独問題について
今回もここ数回と同じく下記サイトの2015年11月の問題集を使用させていただいています。
今回は前回使用した「数独問題集(達人級)」2015/11/09上段の問題を使い、まだご説明できていないいポイントをお伝えしたく存じます。
なお、コピーライトは問題を作られている数独無料問題集様がお持ちのものになりますので初期の盤面につきましては、上記サイトにてご確認いただけますようお願い申し上げます。
「解法その1」の泣き所
左図の黄枠のメモ欄は「解法その1」により導かれたものです.。
- 数字の「2」が1行目と2行目のどちらかに入る。
- 数字の「7」が1行目と3行目のどちらかに入る。
注意していただきたいのは、「2つの数字が入る1行目の可能性が高くなるのか?」というとそういうことではありません。
黄枠の中に「2」と「7」が入る組み合わせは左図の3つのパターンになり、1行目が空白となる確率は、2行目、3行目が空白になる確率と同じ1/3なのです。
メモ欄で表しているのは、『1行目に入る数字には「2」と「7」の2種類ある』という点だけで入る可能性の大きさではありません。
入る可能性の大きさを表すのであれば、1行目は「27」、2行目は「22」、3行目は「77」とした方が良いはずですが、そうすると見づらくなってしまう認識です。
「解法その2」の注意点
「解法その2」で見つかるポイントは、確率的には50%で、どちらかに正しい答えがあると考えることはできます。
例えば左図の黄枠の中のメモ欄は紫太字の「6」は「解法その2」からセットされたものですが、それ以外は「解法その1」からになります。
このように「解法その1」と組み合わさるような場合は、「解法その1」の泣き所があるので、結果的に組み合わさった3行9列目のポイントには正解が存在しない可能性がでてきてしまいます。
残念ながら、現時点ではこの3行9列が正解が存在しないポイントであるかどうかを見分けることは「解法その1~4」だけではできません。
「解法その3」でセットされた数字はどちらかが正解
「解法その3」については、途中で何かしらの間違いをおかしていいなければ、メモ欄にセットされている数字のどちらかが正解になる認識です。
従いまして、手かがりが少ない段階で二択分岐をする場合は、「解法その3」で見つかったポイントを選択するのが、外れが無く安全です。
ただし、最良のポイントがどこになるか?については、何手か先読みをして判断するしか方法はありません。
この点につきましては、次回ご説明したいと思います。
「解法その4」の後にどのポイントを選ぶか?見極める方法
「解法その4」で見つかった数字については、どうしても「解法その1」の泣き所があるために、数字を2つずつ埋めようとした時に、正解を含まないポイントに基づき判断しているために、すべてを信用することはできません。
そうなりますと、まずはペアとなるポイント数の多さを確認した後で、実際に二択分岐をするポイントの判断が重要になってきます。
方法その1
左図は、「解法その4」まで終わった後に、メモ欄にどのような数字が入る可能性があるか?を赤の小さいフォントで記入した図になります。
もしも小さいフォントの数字の方に正解があるとしたら、そのポイントのメモ欄は両方とも正解にならない「フェイク」になってしまいます。
少し感覚的な判断方法になってしまいますが、左図を見る限りでは、「7,8」よりも「3,9」の方が赤の小さいフォントの文字数が多い事が解ります。
そして「7,8」の中でも赤い小さいフォントの文字があるものと、無いものがあり、そうなると選ぶべきは無い方が安全という事になります。
方法その2
方法その1は感覚に頼りすぎていると思われるかもしれません。
そうなると少し面倒ではありますが矢印の線を頼りに、数字が入るパターンを色分けする方法があります。
「解法その4」で使用した矢印図を完成されたものが左図になります。
これに基づき、数字の「3」と「9」がどのように入るのか?を色分けして表したものが下図になります。
「3,9」がペアで入っているポイントの正解はどちらか1つであると仮定します。
「3」が入れば「9」は入れないという関係です。
左図で1行1列に数字の「3」が入るとして薄ベージュ色で始まります。
次のポイントの1行8列は濃ベージュ色という風に交互にセットして行くと2行1列から元の1行1列に戻るまで、「薄→濃→薄→濃→薄→濃」の順に遷移します。
この遷移の中で濃ベージュ色の時には「3」とペアとなる数字が入る事になります。
左図の場合は、「3→9→3→9→3→8」となります。
それと合わせて数字の「9」は薄紺色と濃紺色の2パターンで表しています。
1行1列から「 薄→濃→薄→濃→薄→濃→薄→濃」の順に遷移しますが、数字としては1行1列が「3」から始まり、「3→9→8→9→5→9→3→9」となります。
ここで注目していただきたのは、「3,9」の場合の色の組み合わせの仕方です。
最初の1行1列の「3,9」は「薄と薄」、次の1行8列の「3,9」は「濃と濃」という風にそろっているのに対して、途中の2行6列と3行6列の「3,9」を見ると組み合わせが「薄と濃」「濃と薄」という形に変わってしまいます。
本来は最初から最後まで同じ組み合わせで遷移するのが正しい形で、それでない場合は整合性が取れていない表れであり、どこかに正しくないポイントがあると推察されます。
これに対して、数字「7,8」の場合どうなっているか?を同じように見て見ます。
数字の「7」と「8」の場合の矢印図は左図のようになります。
この場合は、数字の「8」の矢印ループが2つに分かれているので3行4列の「7,8」のポイントについては、解り易いように「薄と薄」で色を意図的にそろえいます。
それ以外の「7,8」の組み合わせは「薄と薄」、「濃と濃」という風に組み合わせがそろっていますので整合性がとれていると判断できます。
以上のことから判断して、数字「7,8」の組み合わせを選択する方が良く、かつ3行4列の「7,8」のポイントは特殊なので外した方が安全であると言えます。
まとめ
これまで3回に分けて「解法その4」のご説明をいたしました。
少し説明が難しいというか、そんな面倒臭いことをしなければならないのか?と感じられるところがあったことと存じます。
確かに、面倒臭い事は省いて、感覚的に正解が含まれていそうなポイントを選んで二択分岐をすれば、少し手数は増えたとしても解答にたどり着くことはできるものと思われます。
なお今回の盤面には、ご説明できていないポイントがございます。
左図の赤枠の2か所を見ていただきたいのですが、この2つのブロックにはそれぞれ、3か所に3種類の数字がメモ欄にセットされています。
しかも「解法その1」だけで埋められた状態です。
同じ行、同じ列、同じブロックの中で、2か所に2種類の数字が「解法その1」だけでセットされている場合は、その2か所は数字が確定していることは以前ご説明いたしましたが、今回は3か所に3種類の数字に拡大された形になります。
更に拡大して4ヶ所に4種類の数字というケースも見たことがありますが、レアケースとはなりますが、数字が確定しているポイントとと判断することができますので覚えて置かれると役に立つ場合があるかもしれません。
なお、2つのブロックには共通して数字の「8」があることから、この赤枠の中で二択分岐をすると6ヶ所の数字を確定されることができます。
そうなりますと、今回の「解法その4」で二択分岐をする場所を考える方法がかすんでしまうことになります…
また数字「3,9」の組み合わせで色の整合性が変わってしまっている事をご説明しましたが、2行9列の数字の「9」のメモ欄を3行9列に移動させれば、乱れている整合性を正しくすることができますが、現時点では、これが解法に結びつかせるための充分な知見を揃えられていません。
この点につきましては、もう少し分析をした上で、後日またご説明をしたく存じます。
次回は設定されている文字数が少ない場合の対応の仕方について、ご説明いたします。
以上、最後までご一読いただきありがとうございました。
2019/8/28追記
現在「二択分岐はなるべく使わない形で解けないか?」「その場合にはどのような書式が良いか?」という形で見直しを進めています。
二択分岐を使用しない意図としましては、やはり解けないバターンの場合の手戻り感と、行き詰った時の「やるせなさ」を回避したいという思いからです。
そのため現在の「解法その4」につきましては扱い方を変更いたします。
詳細につきましては整い次第、記事でご紹介する予定です。
ご迷惑をお掛けしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。