「知っていると得するかもしれないExcelの癖」シリーズ第十一回、テーマは「気づかれ難い署名」になります。
Excel 2016バージョン1902を使用して確認しています。
Excelの「シート保護」や「ブック保護」のパスワード設定については「強制解除の方法」が流布していますので、守秘性が守られない以上はパスワード設定しても無駄に手間暇を掛けるだけになります。
それであれば、気付かれに行く場所に署名を残して置くのが良いと思い、弊社の条件付き書式職人のコンテンツについては、隠しシートに署名を残しています。
このことをテーマにしてしまうと気付かれ易くなってしまいますが、それはそれとしてお知らせしない訳にもいかないので設定の仕方をお示ししておきます。
隠しシートの設定方法
このやり方も既に既知の方法ですので、手順だけ簡単にお示し致します。
まず最初に「新しいシート」を追加してシート名を「秘密」にします。
なお「秘密」シートのA1セルに適当な数字を入力しておいてください。
シート名の上でマウスの右ボタンをクリックしショートカットメニューを表示して「コードの表示」をクリック
Microsoft Visual Basic for Applicationsでプロジェクトの中の(秘密)シートを選択し、プロパティの全体タブの一番最後までスクロールします。
プロパティのVisible項目の右のプルダウンメニューを開くと下記選択肢が表示されます。
一番最後の「2―xlSheetVeryHidden」を選択します。
選択したらMicrosoft Visual Basic for Applicationsは閉じます。
これでExcelブックに戻ると「秘密」シートが隠されて見えなくなります。
「秘密」シートは隠されていますが再表示は無効になっています。
シートの選択にも「秘密」シートはでてきません。
Sheet1のA1セルに「=秘密!A1」という数式を入力すると、秘密シートのA1に入力した内容が表示されます。
つまり隠されていますが、参照することはできます。
ただし一か所だけ存在が隠されていない場所があります。
それはホームタブの「スタイル」リボングループの「条件付き書式」からルールの管理を選択し、「書式ルールの表示」のプルダウンメニューを表示させると「シート:秘密」が表示されます。
ただ、ここに表示されても用途が不明なので、将来は表示されなくなるかもしれません。
隠しシートを削除するには
Microsoft Visual Basic for Applicationsを開いて、先ほど変更した属性を「-1―xlSheet Visible」に戻せず「秘密」シートが表示されますので、シート削除することができます。
別な方法としては、ファイルタブをクリックした時に表示される情報画面で、「ブックの検査」のところにある「問題のチェック」をクリックし「ドキュメントの検査」を選択すると下記メッセージが表示されます。
「はい」または「いいえ」を選択します。
まとめ
このような簡便な方法以外では、読み取りパスワードを設定し、それをお知らせするやり方や、デジタル署名を付与するやり方もございます。
ただ「設定を解除しないと使用できない」というほど厳密にやらなくても良い場合には、こんなやり方でも良いように思います。
なお、シート以外に図形などのオブジェクトを非表示にするやり方もありますが、どこに設定したか決めてい置かないと忘れてしまう可能性があるので注意が必要です。
ただこれも、さきほどのドキュメントの検査を使えば非表示コンテンツのところで削除することはできます。
以上、最後までご一読いただきありがとうございました。
p.s.
ここまで11テーマを書き進めて参りましたが、一旦ここで小休止したく存じます。
1~2ヵ月時間をおいてから再開する所存ですので、今後ともご厚情のほどよろしくお願いいたします。