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Excelで数多くのオートシェープ図形を安全に選択する方法

Excel Tips
この記事は約6分で読めます。

「Excel Tips」ではExcelを使用していて気付いたことを取り上げて行きます。

今回は安全に多数のオートシェープ図形を選択する方法について記載いたします。

Excel 2016バージョン2007(ビルド 13029.20344)を使用しています。

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「オブジェクトの選択」モードでドラッグしながら範囲選択する方法

一般的に使用されている方法になると存じます。

オブジェクトの選択

「ホーム」タブ→編集から「検索と選択」→「オブジェクトの選択」

画面を下・右にスクロールさせながらシート上にあるすべてのオートシェープ図形が入るようにグラッグで範囲指定をします。

上図のように範囲指定でオートシェープ図形を選択する分には安全性は高い認識です。

ただし、個々のオートシェープ図形を「シフトキーを押しながらクリック」して選択をする場合は、うっかり図形を移動してしまう可能性がありえます。

また画面に入りきらない範囲にオートシェープ図形が配置されている場合は、表示倍率を縮小して選択をするケースがあることと存じますが、この場合は設定する表示倍率に注意が必要です。

例えば10単位ではなく1単位に指定した表示倍率に変更した場合、オートシェープ図形を移動させただけで「図形の書式設定」のサイズの高さ・幅が維持させない現象が確認させています。

この現象の詳細につきましては弊社下記の記事をご参照いただければ幸いです。

なお上記記事の中でご説明していますが、「図形の書式設定」のサイズとオートシェープ図形を形成しているDrawingMLのデータとは別々に保持されていて、サイズは元のサイズが解っていればその値に戻すことで元に戻すことができます。

つまり「図形の書式設定」のサイズが変わっていたとしても、DrawingMLの図形データそのものが書き換えられている訳ではありません。

従いましてサイズにずれが生じる事に対して、それ程ピリピリすることはありませんが、ただ変更された数を多くなると元の設定を戻すのも大変な作業になってしまいます。

そのためオートシェープ図形を選択する際には、なるべくリスクが低減できる手段にした方が安心です。

そこで表示倍率を変更する際にご推奨しているのは、下記の事項になります。

表示倍率変更時のご推奨事項
  • 表示倍率は50%から400%まで50%単位でのみ変更する。
  • 50%単位であっても念のためオートシェープ図形のサイズの高さ・幅に変更がない事を確認してから「オブジェクトの選択」をする。
  • 表示倍率を変更した状態での作業はせずに100%に戻してから行うようにする。

「オブジェクトの選択と表示」を使用して複数のオートシェープ図形を選択する方法

「オブジェクトの選択と表示」という機能はあまり使ったことが無い事と存じます。

オブジェクトの選択と表示

「ホーム」タブ→編集から「検索と選択」→「オブジェクトの選択と表示」

上記操作により隠れて見難くなっていますが、左図赤枠で括ったサイドウインドウが開かれます。

機能その1-オブジェクトをピンポイントで選択する

この機能が活躍するのは、オートシェープ図形だけではなく、グラフや図画像お含めた「オブジェクト」が「重なり合ったり・グループ化したり」している状態で、ピンポイントでオブジェクトを選択したい場合になります。

ただし少し残念なのは選択したオブジェクトが画面では見えない状態の時に、画面をスクロールしてくれる機能が無いところです。

このオブジェクトを選択する機能は一つだけではなく、複数まとめて選択することができます。

ただし残念ではありますがExcelの機能として良くある「シフトキーを押しながら連続した行をまとめて選択」ような機能はありません。

このサイドウインドウで提供されているのは「ctrlキー」を押しながらオブジェクト名をクリックして複数選択をする機能です。

数多くのオブジェクトを選択するとなると、「ctrlキー」を押し続けるのが辛くなってきますが、頑張れば選択する事は可能です。

また特定のオブジェクトを選択したい場合は、オブジェクト名が解っていないと目的のオブジェクトを選択できないところが問題になるかもしませんが、画面に見える範囲であればクリックすると、当該オブジェクトにフォーカスがあたるので、それでしのいでいただくしか回避策は無さそうです。

機能その2-オブジェクトの表示・非表示を切り替える

サイドウインドウの表示されている「目のアイコン」をクリックすると、グループ化してある一部のオブジェクト(左図赤丸)だけを非表示にすることができます。

また「すべて非表示」ボタン(左図赤下線)をクリックすることでシート上のすべてのオブジェクトを非表示にすることができます。元に戻すには、隣の「すべて表示」ボタンをクリックします。

機能その3-オブジェクト名を変更する

シート上のオブジェクトには名前を付けることができます。

ただし名前はキー項目ではないので、複数のオブジェクトに同じ名前を付けることができます。

名前は数式バーの左に配置されている「名前ボックス」(左図赤枠)でも変更できますが、その場合はオブジェクトを選択する必要がありますが、このサイドウインドウに表示されている「オブジェクト名をダブルクリック」することでテキストボックス(左図赤下線)に変わり入力ができるようになりますので、複数のオブジェクト名を一遍に変更したい時は便利です。

機能その4-前面/背面へ移動

サイドウインドウに表示されている「オブジェクト名」を選択し(複数同時に選択することもできます)、「前面へ移動」(上▲)または「背面へ移動」(下▼)ボタンをクリックするか、ドラッグすることでオブジェクトの重なり順番を変更することができます。

従いましてオブジェクト名が一覧に並んでいるので並べ替えできるように思えてしまいますが、実はそのような機能はありません。

並んでいるオブジェクト名を昇順に並べたいと思ったら手動で位置を動かしてあげる必要があります。

オブジェクトの書式を連続して変更する

この「選択」機能を使用する上で一番のお勧めは、「書式設定のためのサイドウインドウ」との同時利用になります。

サイドウインドウの表示の仕方にはいくつかの方法がありますが、まず左図①のように「選択」サイドウインドウでオブジェクトを選ぶと、②の「書式」タブが表示されるのでその中に表示されている③の「作業ウインドウ」アイコンをクリックする事でサイドウインドウが開かれます。
「作業ウインドウ」アイコンは「図形のスタイル」以外にも左図赤丸の「ワードアートのスタイル」や「サイズ」にも表示されています。

2つのサイドウインドウが開かれるためその分画面が占領されてしまいますが、連続して書式を設定したい時には非常に便利な機能です。

特に活躍しようなのはつぎのようなケースです。

  • 図形の「塗りつぶし」を設定したり、線の幅や色を設定する。
  • 文字の色や輪郭を設定する。
  • サイズやプロパティ―の設定を確認したり修正したりする。

最後に

あまり馴染みの無い機能であるとは存じますが、位置をずらしたく無いオブジェクトを選択して、オブジェクトの書式を連続して変更したい時などには役に立つ機能であると思います。

是非一度試していただければ幸いです。

以上最後までご一読いただき誠にありがとうございました。