「地図のオートシェープ図形」とグラフ散布図の使用事例としてご提供しているマクロ有効ブック「グラフ散布図使用事例」において使用している「グラフ散布図」の設定方法をご説明いたします。
今回は、その1として「地点のグラフ散布図について」になります。
なおExcel 2016のバージョンは2007、ビルド13029.20344で確認をしています。
グラフ散布図を挿入し系列データを設定する
「マップ」シートに「地図のオートシェープ図形」がセットされている状態で次の操作をします。
グラフ散布図の挿入
- シート上にグラフエリアの白四角の窓が表示されますので、窓をクリックすると「グラフツール」の「デザイン」タブと「書式」タブが表示されるので「デザイン」タブ→データから「データの選択」アイコンをクリックします。
系列データの設定
- 「データソースの選択」ウインドウが開くので「追加」ボタンをクリックします。
- 「系列の編集」ウインドウが開くので「系列名」のカラムをクリックし、地点データが入力されている「地点情報」シートをクリックして「系列名」が入力されているセル(左図ではA5セル」をクリックすると、カラムにセル参照式が設定されます。
- 次に「系列Xの値(X)」のカラムをクリックし、同様に「地点情報」シートN列のN5:N9のセル範囲をドラッグで指定します。
- 散布図の系列Xは緯度・経度の経度に当たります。平面直角座標系ではX座標は緯度になるので混乱しないようにする必要があります。
- 最後に「系列Yの値(Y)」のカラムをクリックして、デフォルトセットされているデータはすべて削除してから、「地点情報」シートM列のM5:M9のセル範囲をドラッグで指定します。
指定内容に問題が無ければ「OK」ボタンをクリックします。
- 「データソース選択」のウインドウに戻り、指定されたデータが散布図にプロットされて表示されます。
問題が無ければ「データソースの選択」ウインドウの「OK」ボタンをクリックします。
グラフ散布図のサイズと軸の最大値・最小値を設定する
グラフエリアの「塗りつぶし」書式設定
- グラフ散布図のシート上の場所を左上に移動させて、グラフツールの「書式」→図形のスタイルの作業ウインドウアイコンをクリックして、サイドウインドウを開きます。
- サイドウインドウで「グラフエリア」を選択します。
なお初回開く際はデフォルトがグラフエリアになっています。- 「グラフエリア」を選択するとプルダウンメニューが「グラフのオプション」と表示されます。
※「グラフの書式設定」には数多くの設定項目があり、すべての機能をご説明できていません。あらかじめお含み置きいただければ幸いです。
- 「グラフエリアの書式設定」で左図赤枠の「塗りつぶしと線」アイコンを選択し、「塗りつぶし」のプルダウンを開いて「自動」から「塗りつぶしなし」に切替ます。
これにより、グラフエリアに隠れていた地図のオートシェープ図形が透過して見えるようになります。
ここで「ホーム」タブ→編集から「検索と選択」→「オブジェクトの選択と表示」をクリックして「選択」サイドウインドウを開きます。
グラフのサイズ変更
- 「選択」サイドウインドウにはシート上のすべてのオブジェクトが表示されますので、グラフが選択されている事を確認します。
この後でグラフのサイズを変更します。誤って「地図のオートシェープ図形」のサイズを変更する事が無いように「選択」サイドウインドウで確認します。
- グラフツールの「書式」タブ→サイズからグラフの縦・横サイズを入力します。
- 入力するサイズは、「地図のオートシェープ図形」サイズの1.4~1.5倍を目安にします。
- 今回のグループ化した「13map」は縦12.31×横24.49cmなので、18×35cmにしています。
※グラフエリアは自動的に余白が設定されるため、一旦多めに広げた後で再度微調整する事になります。
グラフの軸の書式設定
- グラフの書式設定で「横(値)軸」を選択します。
- プルダウンメニューが「軸のオプション」と表示されます。
- 左図(真ん中)の「軸のオプション」アイコンをクリックします。
すると下に「軸のオプション」の選択メニューが出てくるのでクリックして開きます。- 「軸のオプション」の表現は多用されていますので注意してください。
- 「軸のオプション」で境界線の最小値・最大値、単位の主(J)・補助(I)の項目は「自動」で設定された値がセットされています。
- ここで「単位の主(J)」の項目を「地点情報」シートのR1セルの値で置き換えます。
- 値を置き換えると、
①単位の補助(I)の値が自動的に調整されます。
②項目の右に表示されていた「自動」が「リセット」ボタンに変更します。- もとの値に戻したい時はリセットボタンをクリックします。
※横(値)軸の境界線の最小値・最大値は地点情報」シートのQ2セル・Q1セルと値が同じため置き換える必要がありません。
- 横(値)軸と同様に縦(値)軸を変更します。
- 縦(値)軸も「単位の主(J)」の値の置き換えだけになります。
境界線の最小値・最大値は地点情報」シートのP2セル・P1セルと値が同じためです。
地図のオートシェープ図形とグラフ散布図の位置を合わせる
グラフエリアは自動的に余白が設定されるため、「地図のオートシェープ図形」がシート左上に配置されていると合わせる事ができません。
そこで「地図のオートシェープ図形」の位置を移動致しますが、この時に「地図のオートシェープ図形」のサイズは変えないように注意する必要があります。
- 「選択」サイドウインドウでグループ化している「地図のオートシェープ図形」を選択し、矢印キーでグラブにプロットされた地点を目安に移動します。
まずはザックリと位置を合わせて見ます。
- 左図(右)で、グラフの横(左右)のサイズは大体良さそうですが、縦(上下)のサイズが足りていない状態です。
- そこで「選択」サイドウインドウでグラフを選択し、グラフの書式設定で「グラフエリア」を選択し、グラフツールの「書式」タブをクリックします。
- これによりリボン上でサイズの設定ができるようになります。
- なおサイドウインドウ「グラフエリアの書式設定」で「サイズとプロパティ」アイコンからサイズの選択メニューから高さ・幅の項目を表示させても同じ操作をする事ができます。
- 縦(上下)のサイズが足りていない状態なので、縦サイズを増やします。するとグラフエリアが下方向に動いて行ってしまうので、「地図のオートシェープ図形」を再度移動させる必要があります。
- 「選択」サイドウインドウで「地図のオートシェープ図形」を選択しグラフとの重なりを調整します。
可能な限り、「地図のオートシェープ図形」に設定されている最北端・最東端・最西端・最南端マークとグラフ散布図のプロットが適度に重なり合うように上記操作を繰り返します。
なお最終的に表示倍率を変更して調整する場合があります。
この場合、表示倍率は400%で調整される事を推奨いたします。
この理由につきましては弊社下記サイトをご参照いただければ幸いです。
Excelシートやグラフ散布図の見た目を調整する
横(値)軸の目盛の表示を消します。
- グラフの書式設定でプルダウンメニューから「横(値)軸」を選びます。
- 「軸のオプション」アイコンをクリックします。
- 表示される選択項目から「ラベル」をクリックし「ラベルの位置」を「なし」に設定します。
グラフ散布図に地点の系列を追加する
「東西南北原点」とは別な系列を設定する方法をご説明致します。
別な系列を設定する目的は「プロットの形状を変更する」事にありますが、1点お知らせがございます。
- 「地点情報」シートに設定する系列のデータを入力します。
左図では「系列α」として東京都庁のデータが設定されています。
※グラフツールの「デザイン」タブでの操作は先の章「系列データの設定」で一度ご説明していますのでここでは割愛いたします。
系列αの自動設定される形状を手動で変更する
- グラフの書式設定でプルダウンメニューから「系列”系列α”」を選択します。
- 「塗りつぶしと線」アイコンが選択された状態では、左図(中央)のように「線」アイコンが選択されています。
- 「マーカー」アイコンをクリックすると左図(右)のように「マーカーのオプション」と「塗りつぶし」と「枠線」の選択メニューが表示され、デフォルト「枠線」が開かれた状態になります。
- ここで「マーカーのオプション」と「塗りつぶし」の選択メニューを開くと左図(左)の状態になります。
「マーカーのオプション」及び「塗りつぶし」はデフォルト「自動」が選択されています。
- 「マーカーのオプション」を「組み込み」に変えると「種類」は左図(中央)の形に変更できます。
一番下の「画像の挿入」アイコンを選ぶ事で独自のマーカーを設定することができます。
サイズの変更もできます。
- 「塗りつぶし」を「自動」から「塗りつぶし(単色)」に変えると、左図(右)のように好きな色に変更することができます。
地図のオートシェープ図形の配置でシートの上余白が気になる時は
今回ご説明に使用している地図のオートシェープ図形は東京都になりますが、東京都はⅨ系原点が都の最北端よりも北側に位置しているために、どうしてもシートの上に余白が生じてしまいます。
これを解消するためには座標原点の緯度を下げる必要があります。
なお縦軸調整をする目安としては、地図のオートシェープ図形の最北端が「マイナス10,000m以上離れている」場合です。
- 「地点情報」シートのP5セルは、縦軸の緯度を下げる時に使用します。
- 単位はメートルになり、今回は10km、値としては「10,000」で入力しています。
なお入力された値は差し引き計算をするので「下げるからマイナス符号は付ける」という必要はありません。
- 結果としては左図(左)のように、座標原点が都の最北端より少し北の位置に移動します。
- ここで地図のオートシェープ図形を選択し、位置をシートの上方向に移動した結果が左図(右)になります。
プロックする範囲が縦方向で短くなったことで、Excelのグラフ散布図が余白を自動調整するために、地図のオートシェープ図形とグラフの位置がずれてしまいます。
そのため、また地図のオートシェープ図形とグラフの位置合わせの試行錯誤をする必要があります。
なおサイズ調整するのはグラフ散布図の方になりますので、間違えて地図のオートシェープ図形のサイズを調整しないように注意する必要があります。
最後に
今回はグラフ散布図の設定その1として、地点情報と地図のオートシェープ図形の合わせ方についてご説明いたしました。
なおグラフの書式設定にはいろいろな設定が用意されているためにすべての機能をご紹介できていません。
必要に応じて掘り下げていただければ幸いです。
次回はその2として、ライン情報の合わせ方をご説明いたします。
以上最後までご一読いただき誠にありがとうございました。