TopoJSON For PowerBIに関する記事をシリーズでお届けいたします。今回は第1回でMIcrosoftの「Power BIについて」になります。
MIcrosoftが提供しているアプリケーション群にはさまざまなものがありますが、2019/6/10-11日にアトランタで開催されているMicrosoft Business Applications SummitにおいてDynamics 365とPower Platform(Power BI、PowerApps、およびMicrosoft Flow)の「これから先」が語られているようですが、Dynamics 365による業務ニーズに対応するとビジネスアプリケーションとMicrosoft Power Platformはアプリケーションプラットフォームとしてプログラミングの知識を持たなくても簡単にカスタムアプリケーションを作成できて、それをワークフローで自動化しビジネス全体の生産性を向上するのが狙いのようです。
Microsoft Power Platformの一員としてのPower BIの役割
PowerAppsは、既存のデータやシステムと接続して特定のプロセスやビジネスニーズを解決するためのカスタムアプリケーションをExcel のような数式を使ってロジックを簡単に構築するための仕組みになります。
Microsoft Flowはアプリとサービスの間の(通知)連携やファイルの同期、データの収集など自動化するワークフローをコーデング不要で実現する仕組みになります。
これらに対して、Power BIは「情報に基づいて迅速な決定を下すための分析情報を提供するビジネス分析サービス」と位置付けられています。
Power BIの構成要素は下記の4点になります。(出典:MIcrosoft「Power BIとは?」)
- Power BI Desktop
- Windows デスクトップ アプリケーションで包括的なデータ分析/レポート作成ツール
- Power BI サービス
- チームや企業が簡単なレポート編集や共同作業を行うためのクラウドベースのオンライン SaaS
- Power BIモバイルアプリ
- iOS、および Android デバイスからのアクセスを担う
- Power BI Report Server
- Power BI Desktop で Power BI レポートを作成した後、それをオンプレミスのレポート サーバに発行できます。
なおPowerBIはExcelのアドオンからスタートしたツールのようです。(下記をご参照ください)
Power BIのライセンス
上記のキーマンズネットのページに書かれているようにライセンスは次の3種類になります。
- Power BI Desktop
- データ分析/レポート作成ツールでPower BIのメイン機能でありながら、無料で自分のパソコンにダウンロードしてインストールすることができる。
- 機能としては制限はなくPower BI サービスにレポートをアップロードし共有することもできるが、無料の場合は「Webに公開」でレポートを埋め込みインターネットを介したすべてのユーザーによるパブリックアクセスを可能にするかPowerPointプレゼンテーションやPDFなどにエクスポートするか、どちらにしてもアクセス管理はできない形になります。なお埋め込みコードは「電子メール、内部ネットワーク、イントラネットサイトなどで内部的にコンテンツを共有するためにしよは宇することはできない」とされています。
- この件に関しては、レポートの「発行」をするとサインイン画面に遷移しPower BIのアカウントが必要になります(microsoftアカウントとは異なります)。その際に勤務先のメールアドレスが必要になりますのでご注意ください。(gmailのアドレスでははじかれてしまいます)
- Power BI Pro
- ライセンスを持ったユーザはアクセス制限がかかったPower BI サービスのレポートやダッシュボードを見たり、Power BI Desktopで作ったレポートをアップロードすることができる。
- ユーザのアクセス権限を設定できる。
- レポートが参照するデータが変わるとリアルタイムでレポートの値も更新される。
- Power BI Premium
- レポートを参照するだけのユーザが多数いる場合は、このノード(専用の容量)単位のライセンスを購入することでユーザ単位にライセンスを購入するよりも割安になる。ただし1つのノードにアクセスするユーザ数が増えるとレスポンスが悪くなるので無制限という訳にはならない。
- なおPremiumは参照権限だけで、レポートを作成して共有する権限は含まれていないため、レポートを作成する人数分のProのライセンスは必要になる。
Power BI Pro及びPower BI Premiumについては月額料金が必要です。具体的な金額は下記をご参照ください。
Power BI Desktopだけでできること
Power BI Desktopでデータをローカルに取り込んでレポートを作成した上で、それらを拡張子「.pbix」ファイルとして圧縮保存すれば、そのファイルをファイルサーバに置いて共有する事は可能です。
各パソコンにはPower BI Desktopをインストールして置く必要はありますが、ライセンスを購入する必要はありません。
ただしPower BIの良さは、どこに置かれているデータに対してもアクセスをして、常に最新のデータを収集してそのデータにもとづきレポートを共有できる点であることは間違いありません。
Power BI Desktopの具体的な機能説明につきましては既にいくつかのサイトができておりますが、まずはMicrosoftのサイトの「Power BI Desktop の概要」をご参照いただければ幸いです。
※なお、インストールとカスタムマップを利用するための設定につきましては、次回ご説明をいたします。
最後に
リアルタイムのデータをBIで活用し、企業利益に貢献するというのは理想的ではありますが、現実問題としてBIツールにかかるライセンス費用に対する効果を明確にすることはなかなか難しい認識です。
そうなりますと、まずはリアルタイム性は置いておいてバッチ更新でのデータ共有からスタートするというのが現実的な対応になることと存じます。
となりますと、まずはITに関する有識者の皆様で「Power BIでどのようなことができるか?」を試してみる事をお勧めいたします。
以上、最後までご一読いただきありがとうございました。